●はじめに
このシナリオは、『ワンス・アポン・ア・タイム』という、ストーリーテリング系のカードゲームの
コンポーネントをTPRGに利用できないかと思って作りました。
原作のゲームと同様、参加者のアドリブ力が試されるため、緩い感じで和気あいあいとセッションすることを推奨します。
また、正直ネタバレも何もないので、基本的にGM以外もこのシナリオを見ても問題ないと思いますが
初見でシナリオを楽しみたい場合は、見ないことをオススメします。
それでは、自らの手によって現実がファンタジーの世界に塗り替えられていく様子をお楽しみください。
●このシナリオについて
シナリオ制作者:苦爪
ジャンル:ファンタジー・シティ系
推奨PC人数:3人~
推奨レベル:2~
推奨技能:なし
プレイ時間:オフセで2時間~を想定
特別に用意するもの:ワンス・アポン・ア・タイム(ボードゲーム)基本セット(拡張でも可?)
●シナリオ本編
【導入】
あなた達が見知った街を歩いている。
突然、あなた達の目の前に、空からそれぞれ1枚ずつカードが降りてくる。
<ここで、PLに1枚ずつ、ランダムで結末カードを伏せて渡す。>
<PLは、自分に配られたカードの内容を確認しても良いが、他人にその内容を伝えることはできない。>
あなた達が、カードを読むと、そこにはよくある物語の結末の様なものが書かれている。
読み終わると同時に頭の中に不思議な声が聞こえてくる。
「プレイヤー達よ、物語カードを掴みなさい。物語カードは、あらゆる現実を塗り替えます。
この世界に目覚めた魔王の力を弱め、与えられた結末へと導けなければ、この世界は魔王の手に落ちるでしょう。」
そして、邪悪な気配が一瞬世界を包むのを感じる。<強制的に汚染+1>
声が止むと同時に、空からカードが何枚もヒラヒラと降ってきます。
<PC達に、物語カードをランダムで5枚与える。GMも5枚引く。>
【運動、操作(1)】成功数分だけ、追加でカードを与える。汚染判定は通常通り。
あなた達が取れなかったカードは、地面に吸収されてしまい消滅する。
※PCが獲得した物語カードと結末カードの内容は、他人に喋ろうとしても、声が出なくなって喋れない。
【手番順】
GM(魔王)⇒PC(好きな順番)
これを3ラウンド行う。
【PCの手番】
手番PCは、持っている物語カードから1~2枚ずつ使用する。
使用したカードの内容を使った物語を提案することで、現実が塗り替わる。
ただし、物語には必ず技能判定(描写によっては全員)が発生する。
例:PC1が「巨大な」と「うさぎ」カードを使用して、以下の物語を提案する。
PC1「巨大なうさぎがいたので、餌をあげたら私たちを背中に乗せてジャンプしてビルの上まで運んでくれました。」
→GM「では、うさぎの背中に掴まれていたか全員【剛力(2)】で判定してください。」
技能判定は、基本的にGMが考えること。
また、PCが物語の提案が難しいと判断は、使用したいカードだけ提示し、他のPLやGMと共に考えてよい。
ただし、一度提示したカードは、必ず使用すること。(手札に戻したり捨てることは出来ない。)
手番の終わりに、使用した分の物語カードを補充する。
結末カードは、最終ラウンドのみ使用可能(【最終ラウンド】を参照)
【GMの手番】
GMも、PCと同様に持っている物語カードから1~2枚ずつ使用する。
GMは(適度にバランスを考えて)PC達に結末カードを使用させないように不利な状況へ追い込む。
2回目と3回目のGMの手番では、カード使用後に必ず戦闘が入る。
2回目は中ボス戦。3回目は魔王戦といった形になる。
(どういった状況で戦闘になるかは、GMが使用するカードによって決まる。)
手番のどこかで、<強制的に汚染+1>が発生する。
手番の終わりに、使用した分の物語カードを補充する。
【最終ラウンド】
3回目のGMの手番で、魔王を倒すと、PC達はお互いの結末カードと物語カードの内容を喋れるようになる。
つまり、最終ラウンドは、結末カードを使用するために、プレイヤー間の協力がOKということになる。
ちなみに、今までカードの内容を喋れなかったのは、魔王による妨害魔法のせいだった。
PCは通常通り手番を行うが、手番の終わりに結末カードを出せる場合、使用を宣言する事が出来る。
結末カードを読み上げ、その結末が、PC全員の納得いくものであれば、エンディングを迎える。
【エンディング】
あなた達が、物語を結末に導くと、持っていたカード達は、光の粒となって消滅する。
そして、最初に聞こえた声と同じ声が、また頭の中で聞こえてくる。
「物語を終わらせてくれてありがとう。とても面白かったよ。また、遊んでね。」
無邪気でとても楽しそうな笑い声と共に、結末を提示したPCの手元に、チラシが出現する。
そのチラシには、「ワンス・アポン・ア・タイム 基本セット 定価(税込) 3,240 円」と書かれていた。
【バッドエンド】
あなた達は、結末へとたどり着くことができなかった。
空は暗くなり、急速に禁書領域が拡大していくのを感じる。どこからか魔王が高笑いをする声が聞こえる。
地面に吸収されたと思われたカード達が、地面から浮かび上がっては光の粒となって消えていく。
カードが暴走しているのか、街のそこかしこで、不思議な生物や現象が、荒れ狂うように発生していく。
魔界がこの世に存在するとしたら、まさにこの光景のことを指すのだろう。
もはや、あなた達は、どこかに身を隠して嵐をやり過ごし、外部からの救助を待つしかない。
●おまけ
【守護星能力】
PCは、このシナリオに限り、いかなるタイミングでも特殊な守護星能力を一度使用することができる。
守護星判定に成功した場合、結末カードを1枚交換する。
守護星判定に失敗した場合は、物語カードを1枚交換する。
交換して捨てたカードを、場にカードを伏せることで、能力を使用済みとする。
【物語カードごとの、物語例】
じんぶつ:○○に出会った。○○が困っていた。○○から依頼された。
もの:○○を手に入れた。○○を見つけた。○○が壊れた。
ばしょ:○○に着いた。気が付くと○○だった。
ようす:○○な状態だった。
できごと:○○が起きた。○○が起きようとしている。
【PLが1~2人の場合】
PCの手番が、最低3回行われるように、繰り返して良い。
その後、GMが通常の手番を1回行う。
●おわりに
至らない点がありましたら、コメントをいただければ補足させていただきます。
ご利用の際にコメントをいただけると幸いです。
0コメント